2010年5月25日火曜日

がりょう

建築用語で「がりょう」という言葉があります。

僕はこの言葉でちょっと興奮します。漢字では「臥梁」。

この臥梁とは、日本ではあまり見られなくなった組積造の建物(レンガやコンクリートブロックを積み重ねて作る建物。3匹の子豚が作ってたような建物。)の場合に、積み上げた壁の頂部に設けられる水平の梁の事をいいます。現在よく見るところではブロック組で構成された塀の頂部にコンクリートで固めたものを見る程度です。

建物や塀の基礎 − 組積(レンガ、コンクリートブロック等) − 臥梁

と組積を挟みこむことで組積を固め、地震や台風時に力が流れても抵抗する力を生みます。

ここで現在レポートしている世田谷の家。
地下はすべて鉄筋コンクリート造なのですが地下外壁の上部には、ぐるりとこの臥梁と同じような機能を持った鉄筋配列がされています。

臥梁、がりょう、臥竜・・臥竜!?
同じ読み方ではないか!

臥竜とは三国志に出てくる諸葛亮孔明がたとえられた言葉。
諸葛亮孔明は言わずと知れた蜀の丞相。軍事・政治の天才で三国志の英雄中の英雄。
世に出ていなかった孔明を劉備玄徳が三顧の礼を持って出迎えたのはあまりに有名。

今の歴女ではないが、このような類の話は男は基本好きである。

世の中に知られていなかった諸葛亮孔明を臥せている龍とたとえられたようだ。
他に伏龍(ふくりゅう)、臥龍(がりゅう)とも呼ばれていたようです。

現代では
臥竜・・・世に知られていない英雄、大人物。
というふうに使われています。

そうえいえば、臥梁も臥せている龍に見えないこともない。

現場に行く度に思うのです。

あそこに諸葛亮先生が寝ておられる。。。おお、先生の上に家が!
などと、ひとり心の中で勝手に興奮しているのです。

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