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2012年11月20日火曜日

リノベ

ほんと久々の投稿です。
休業していたわけではなく、超忙しくなりすぎてブログをおろそかにしておりました。というか筆不精の僕はめんどくさいと思う時期に突入していたわけで。。
その間にも東京都の木造診断事務所としての資格を得たり、HPには乗せるでもない社会インフラとしての建物を設計したりといろいろしておりましたよ。
プライベートでは子供も授かりといろいろといっぺんに押し寄せてきた感じです。

現在は集合住宅、店舗併用住宅など案件が動き出して実施設計中のものもあれば、計画や土地探しからの物もありとなにかと厳かに進めております。

最近ではリノベーション物件がひとつ完成しました。


2階建の1階フルリフォーム。
方位は写真左が南です。キッチンが北側で暗かったのを和室だった部屋を改修してDKにしてリビングとつなげました。右手に見えるのはテレビ台です。構造上キープしておきたい耐力壁をデザインに再利用です。
ちなみに何本か柱抜いています。もちろん構造耐力検討した上で、補強なりをしています。
リフォームやリノベーションでは計画するときには必ず既存の柱や耐力壁がプランを邪魔するのですが、柱や耐力壁があるからだめというわけではなく、きちんと構造を把握して構造耐力を損ねず計画することは可能なのです。それも設計の力量です。コストを鑑みてそのあたりも計画に盛り込み使い勝手のよい動線計画にしています。

おいおい補強工事含めた工事過程や計画特性など紹介していきます。

不定期ですが、ブログもやんわりと再開です。
週間・月間になるかも知れませんがご容赦!

2011年4月23日土曜日

喜びを感じる瞬間

仕事をしていて喜びを感じる瞬間ってないですか?
職種によっても当然違うが、同じ職種でも喜びを感じる瞬間は様々でしょう。

昔からプラモデルやら模型が大好きだったので、今でも模型が完成した時には多いに喜びを感じます。反面まだこれもまだこれもと切りなく続けてしまうので撤退が難しい(苦笑)仕事です。

で今日は模型。


模型が作りやすい建物は一般的にコストが安いと言われます。
難しいものは高い。

実物を置き換えているんだからとうぜんでしょう。

模型を作る意味はお客さんに一発で立体構成を分かってもらう事と、僕的な最大の目的はフォルムは大体想像出来てるんで光の入り方の確認。

懐中電灯をあてて、あるいは外で実際の方位に合わせて確認します。

当事務所で作る模型は基本的に分解模型。各層で取り外しが出来ます。

学生時代は時間があったんで、やたらとリアルに作っていた記憶がある。

設計事務所の入門はみんな基本模型づくりから取りかかる。
これで立体感を養うのです。
たぶん。

2011年3月31日木曜日

はや4月

早くも3月も終わり4月になろうとしている。

3月は震災のことで連日くらい日々でしたが、個人的にはプレゼンなどもいくつかあって結構な体力勝負の怒涛な月でした。

買いだめた本も何冊かほったらかしの状態なので、時間を見て読まねば。。

買いだめた一冊の中で「メタボリズムとメタボリストたち」と言う本を最近よんだ。
メタボリズム運動の第一人者の大高正人さんが昨年なくなられたということ、最近メタボリズムについての議論が活発になってきたということもあって読んでみた。

建築に関係のない人には、肥満の本ですか?と言われそうですがそうではありません。

メタボリズムとは新陳代謝。約50年前くらいの高度経済成長時に生まれた建築やデザインの運動の名前です。

経済成長にともない、都市を新陳代謝させる。更新させる。

黒川紀章さんも有名なメタボリストとして有名で、中銀カプセルタワービルがあまりにも有名です。

カプセルタワービルは部屋のユニットが丸ごと交換出来るという風に新陳代謝を名で体現させたようなビルですが結局一度の更新もされていない。

新陳代謝から想像するとスクラップ&ビルドをイメージさせ過去の運動との認識ですが、本を読むとなるほどと思える。

その中で一番共感したのは「仮設は本設であり本設は仮設である」との趣旨の一節。
現在はリサイクルの時代である。本設を仮設と捉えるとリサイクルや移設に容易になる。
またそのようなディテールで設計されたものは建築も早く低コストに寄与されるだろうと思う。

そのようなことを思いながらこんな動画を発見した。



6日で建築。恐るべし中国。

2011年2月10日木曜日

設計事務所の独立

最近は仕事の話を書いていなかったので仕事をしていないのか!と思われるのでちょっと報告。

現在は事務所のプロモートとある物件の計画、そしてコンペ提出の作品づくりなど。
現場が動いていないのでリアルタイムでお見せする写真がないのが残念。

さて表題の設計事務所の独立に関して。
設計事務所として独立するパターンは大体設計事務所で何年か修行して独立というパターンが多い。

デザインやアイデアに関しては若くてもいいものは出るのですが、いかんせん財産を扱う設計。生命や財産を守れる建物を設計出来るかは諸先輩方の技術を経験を頂いてデザイナーである前に技術屋になる事が必要なのです。そして物件の設計監理を主体的に回せる力をつけて独立です。

そして独立。さてどうしよう。
大体の人が直近に設計出来そうな物件がある、付き合いのある工務店から斡旋がありそう。などから独立を果たして仕事に取りかかる。

僕の場合は前者。前の事務所を卒業してから東京に出てきたのですが、東京で仕事をしていた訳ではないのでコネもなく今後どうしようかと思っていたら設計出来そうな物件があったので就職せず独立をした。

でもその物件は様々な要因があってポシャってしまった。
このケースではよくある話。

幸いにもその後住宅を設計させて頂けるチャンスに巡り会い、無事竣工と至った。
独立したばかりの設計事務所は自分が設計をしました!というものを作れるチャンスが巡ってくるのはそう数はない。そりゃそうだ実績がないんだから。
で、自らが主となって設計する機会もなく事務所をたたむということが多いというかほとんどらしい。

そんななか僕の案を気に入って先入観なく受け入れてくれたHouse M-Slowのお施主さんには大感謝です。自分のもっている力と施主のアーティスティックな刺激を受けていいものが出来た。

ということで一棟実際に建てられたことによって現在様々な展開に向かう事が出来ています。現在はその途中段階。

今後ともよろしくおねがいします!

2010年12月22日水曜日

冬至

今日は冬至。
最も昼の時間が短い日です。

建物の高さ制限で日影規制というものがありますが、この日影は冬至の日に伸びる影を対象に規制を確認します。

言い換えれば、「冬至の日にも周辺地域に一定時間ちゃんと日光を落としてあげて下さい。」
と言う事です。

よく聞く日照権。
これは法律にある用語ではなく、様々な法律を照らし合わせて主張する権利のことです。
主には健康に生きる権利から。

日影規制と日照権とは実は関係ありません。
日影規制を遵守していても日照権で訴えられ敗訴したケースもあるようですが、一般的には日影規制がある場合はそれも考慮してのケースバイケースのようです。

日影規制の無い地域での紛争は今でも頻繁に起こっています。

僕が扱った物件で日照権でもめた事は幸い無いのですが、この日影の問題は場所によっては慎重に考えなければいけません。

建てる方の配慮も必要ですが、必要な法律遵守で建築しているのにやたらと日照権という主張をする周辺住民で困っていますという話もよく聞きます。
先に建てた者勝ちですか!と思えるケースもあります。

そこに住むという事はなにかしら周辺地域に及ぼす影響があります。
一番大事なのは自分の権利だけではなく、相手の権利を自分と置き換えてお互いを理解する事が必要です。

お互い様ですよ。

2010年11月30日火曜日

はや師走

いつの間にか11月も終わり、残り一ヶ月となってしまいました。

現在は事務所でこつこつと建物の計画と関係所管周り。
計画は描いてはボツ、描いてはボツと結構生産的ではありませんが、致し方なし。
やっぱりいいものつくりたいし。

ただ事務所に居てばかりでは考えがなかなか柔らかくならないので時々散歩や喫茶店に出かけたりもする。
それでもいいアイデアが出ない時はしばらくほったらかしにしておく。

これが以外と自然に考えを整理している事になっててなんで気がつかなかった!という事が生まれてくる事があります。

また、逆もあります。
サッとかけてしまったプランは何日か寝かしておいて、再び見る。
ここで違和感を感じたらボツ。

という繰り返しです。

もの作りは何でもそうだとは思っているのですが、作っている最中にこりゃダメだ!とおもってもとりあえず最後までダメはダメなりに作ってみる。そうして小さな発見をする。20代でこれを学んだ。

やたらと時間がかかるので才能ないなぁと思っているのですが、知り合いの著名な建築家と雑談しても同じらしい。これは建物の大小あまり関係なく、時間をかけなければ分からない事もある。

という事で設計事務所は一般的に不夜城である事が普通。
40歳、50歳の人でも普通に徹夜している。

みんな努力してんだなぁ。と思いながら徹夜の際は自分を鼓舞。

なんだかよくわからない内容になってしまいましたが明日からは12月。
昨年の末に事務所を開設してはや1年が過ぎてしまいした。

今年も残り1ヶ月。気合い入れ直しです。

2010年10月25日月曜日

現地調査

今日は現地調査&関係法令調査で江戸川区へ。
役所までの道のりは遠い。

電車で降りてからバスに乗る。
東京のバスは前払い。
東京に来たばっかりの時は知らずに思わず無銭乗車しそうであったことを思い出しながら乗車。

今回の目的は個人住宅の耐震化+リノベーション(改修)の検討準備。

平成18年の東京の住宅の耐震化率は76%という統計。
という事は現状は80%を超えているとはおもいますが、きたる大地震に備えて減税や助成金等によって東京都も耐震化を進めています。

本当は立て替えが手っ取り早くていいのですが、いろいろと予算や法的な問題の絡みで立て替えが出来ない住宅が多いのも現実です。

ちなみに耐震化が必要な物件というのは昭和56年以前に建てられた建物を対象としています。
というのも過去の地震による被害から耐震性能の見直しが繰り返され、昭和56年に大きく耐震に対する基準が変わっています。
地震の度に報道でもよく聞きますが、倒壊している建物は昭和56年以前の建物に集中しています。

地震大国日本。地震に対する備えは大切です。

2010年8月14日土曜日

敷居

設計事務所に頼むのは敷居が高い・・。

よく聞く言葉です。

建築の相談を受けるときに正直に言ってくれる人も多いです。

敷居が高い理由として、、

1.まず設計料が高そう。そんなに高級な家を建てるわけじゃないんで設計事務所に頼むまでは・・。
2.デザイン重視で好き勝手にされそう。不便そう。
3.デザインや設計が気に食わない場合、断りづらそう。
4.やたらとインテリそう。
5.まず設計事務所に頼んだ時のシステムが良く解らん!
6.設計をして工務店の相見積もり。予定金額に収まらない場合は困りそうですが。。。

お答えします。

1.高級な家、安い家、どんなものでも設計します。特に本当に安い家にしたい場合はむしろ設計事務所に頼んだ方が、仕様の縛りが無いために安くなる知恵を出してくれます。

工務店とハウスメーカーと大きな違いは、工事監理業務という業務があるからです。
施主の立場で監理します。

2.建築家によるかもしれませんが、そうむちゃくちゃにはなりません。
まず機能ありきです。デザインを含めた新しい提案空間が、人によっては不便そうに映るかもしれません。施主がどのような機能や空間を望むのか、コミュニケーション次第です。

3.断られること。これは大概の建築家は慣れていますのでお気軽に。

4.建築家によりますが、いい人でフレンドリーな人は結構多いです!

5.ホームページに建築までの流れを説明していますので御覧ください。

6.経験上、予定金額内で最初の見積が収まることは無いです。
最初の見積からVE(仕様の代替え)などを繰り返して予算内に持って行きます。
最終的には工務店さんに安くしてよ!という力技もあります。
力技に持って行くには工務店さんの利益率を下げるということなので、作りたくなるような面白い家であることが必須条件ですが、あまり追い込んではいけません!
販売ではなく請負なので、綺麗に施工してもらうためのモチベーションに係わってきます。
時間はかかりますが、このようなことを繰り返し、コストパフォーマンスの良い家を建てることが出来ます。



ある雑誌のアンケートでは家を建てる予定の7割くらいが建築家と家を建てたいと望んでるらしいです。しかし現実は1割にもいかないようです。

住宅を建築家が設計すること。世界的には金持ちの住宅や別荘を設計することがほとんどです。
日本は人口あたりで見ると建築士や設計事務所の数が多く、中流家庭の住宅も設計する世界的にも珍しい国なんです。

日本の設計事務所は意外と敷居が低いのです。

2010年8月12日木曜日

景観を壊すもの

景観を壊すもので代表的な物の一つは看板。

ビル上にある看板、ビルから突き出た看板、交差点にある看板群。
香港のように看板が都市のアイデンティティーになっている例もある。
すべての看板がいけないとはこれっぽっちも思わないが、中国と違って元々派手な色を使わない日本の景観。景観を壊している事が多い。


センスの悪い看板はなおさらである。


ある事に気付く。

郊外に行けば看板のほとんどは病院じゃないか。。。しかも結構派手。
田舎の経済格差は顕著である。

主要幹線道路沿いには店舗の上や敷地内に大きな看板。
一応「屋外広告物条例」なる条例によって大きさ等の規制がどの地域でも制定されているけど、某紳士服系の店や本屋等でとんでもない大きさの看板を良く見る。これは条例を上手?に、あるいは規制の穴をついた産物である。
ある意味、目の暴力。

また、残念な事に看板のデザインをする方にも景観への配慮という意識が欠落している。景観への配慮を考えれば考えるほど仕事が出来なくなるので仕方のない事かもしれない。
設置する方の景観に対する倫理観で話すより、規制の仕方が日本は下手なんだと解釈する方が手っ取り早い。

建築の設計過程でも看板の設置位置を決める作業も物件によってはあります。
店舗オーナー、コンサルタントや設計者の中で店舗は目立つが勝ち。という人が多いのは事実。違和感を感じながら仕事をした事があるのも事実。

ド派手な看板が乱立する時代。
そろそろ少数派になって、別の方法で集客を考えた方がよくないですか?

2010年7月20日火曜日

スレート

スレート。
住宅を建てられた方には馴染みのある言葉かもしれません。

スレートといえば現在ではセメント・有機繊維を混合した生成物を指します。
住宅で馴染みのあるところではスレート瓦。俗にコロニアルとか言われます。



工場では外壁や屋根に使われる灰色の波板スレートがよく使われますし、見たことがあると思います。
スレートは以前アスベストが混入されていましたが、近年問題になり現在はノンアスベストスレートが使用されています。



あまり知られていませんが、スレートはもともと天然のものを指しています。
天然スレートは粘板岩を薄く割って板状にしたものです。
一枚一枚表情が違うので、かなり魅力的なものなのですが現在では価格が生成のスレートに比べ4〜5倍するためにあまり街中で発見することはありません。

有名な所ではモン・サン・ミシェルの屋根にも使われているそうです。

ある現場の帰りに年季の入った建物の外壁に使用されているのを偶然発見!
どうも魚屋さんみたいです。魚の鱗を表現したのかな?と思わせる風貌。



スレートの表情だけでも見入ってしまいます。
一度は建物の設計で使ってみたい素材の一つです。

費用的に潤沢でなければ選択肢に上がらないこの天然スレート。
建て替えの際には是非ともデザインに組み込み、再利用してもらいたいものです。