2010年7月29日木曜日

ジブリ的?

現在の建築家の多くはモダニズムやインターナショナルスタイルの思想のベースと延長上にデザインをしています。というか、一昔前まで盛んに行われてきたデザイン思想や運動に熱心ではなくなったのかも知れません。

環境、とりわけ緑なくしては新たなデザイン思想も語られる事もなくなり、デザイン思想というよりはハードな部分でのサスティナブル建築(持続可能な建築)という事に考えを重点的にデザインするようになってきています。そのような環境のもと、各建築家が独自の思想を暗中模索といった感じかも。

そのような昨今、異彩を放つ建築家がいます。

藤森照信さん。

http://ja.wikipedia.org/wiki/藤森照信

本業は建築史家(大学の先生)で建築家です。
僕も大好きな建築家です。
藤森さんの建築作品は見ればすぐに藤森作品と分かるものです。

分かりやすくいえばジブリ的な建築でしょうか?

屋根にタンポポを生やしたタンポポハウス(自邸)
屋根にニラを生やしたニラハウス
ひょろひょろっとした高い木の上に作った茶室、高過庵(たかすぎあん)

ふざけているような面白さの中にある建築思想と素材への関心など興味の尽きない作品ばかりです。

本も何冊か読みましたが、大変面白い。
故宮脇檀さん(建築家)と同じく、凡人にも好感の持てる文章です。
自邸のタンポポハウスを作るときのナラとの格闘や、高過庵を作ったときの感想(やっぱり怖いらしい)など笑えます。

藤森さんのような建築は他の建築家ではあまり知りませんが、
藤森建築を目指さない多くの理由は使う素材の流通のなさ、それによってコストがつかみにくい、施工出来る大工も限られる等の理由などなどがあるかと思います。

しかし、藤森作品は日本で古来から使われてきた素材にこだわり、日本の地に建つ日本の建築はこうだ!と最も分かりやすく表現しているようで、興味が尽きません。

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