2010年9月7日火曜日

線と面

人が感じる物の適度な厚さや太さ、美しい厚さや太さというものがあります。

時代が進むにつれ技術力が上がり、テレビを始め随分と薄くなってきました。
僕が関心を引くのはテレビ自体の厚さではなく、画面の縁、エッジの厚さです。

随分と薄くなりました。細くなったというべきか。
薄く出来ない場合は画面に見立てて黒の部分を増やしてエッジを細くしてデザイン上かっこ良く見せています。

apple製品では緩いカーブを使って淵を細くしています。薄く薄く美しく見せるデザイン上の技術なんでしょう。iPhone4では緩いカーブがなくなったのですが、これは本体自体が薄くなったのでそうしたのだと思います。

建築でも庇を薄く、手すりを細くする技術にみんな躍起です。美しく見せるために。
現代建築がより薄く、より細くそしてシンプルになってきているのは技術力が高まってきているからです。
工業製品ではエッジの細さで値段が違うという事にも気付きます。技術力が値段に出ているのです。

しかし薄く、細くは安心感を失うことにもなってしまいます。
バランスが大切です。

庇を薄くを追求したために板一枚というのを街で見かける事がありますが、これは薄すぎて美しくない。

おそらく線なのか面なのかどっち?という境界が美しく物を見せるのかなとも思います。
これはその対象自体のスケールによって違ってくるので結構難しい。

デザインをしていると、繊細に線と面を決めなければいけないと痛感するのです。

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